2025.4.1
海外研修2025・スリランカ ~バワホテル編~
前編では、この国の文化や歴史、そして食文化についてご紹介しました。
後編では、ジェフリー・バワの代表的なホテルに宿泊した様子をお届けします。

・・・ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)・・・
ジェフリー・バワ(1919–2003)は、スリランカを代表する建築家であり、
「トロピカル・モダニズムの巨匠」として知られています。
彼の作品は、広い開口部や半屋外空間、水や緑を積極的に採り入れることで、
周囲の自然環境と調和した独自のスタイルを生み出しました。

ヘリタンスアフンガラのインフィニティプール
特に、リゾートホテルの設計においては、インフィニティプールや
屋内外が連続する開放的な空間を作り上げ、
建築と自然が一体となる新たなスタイルを確立しました。
これらのアイデアは、現在のリゾート建築にも大きな影響を与え続けています。

旅の最初に宿泊したのは、バワが手がけたスリランカ最初のリゾートホテルである
『Jetwing Lagoon(ジェットウィング・ラグーン)』

開放的なエントランス


中でも、特に印象深かったのは、中央に位置する全長100mを超えるプール。
バワはここで、水と建築が一体となる空間を作り出し、心地よい開放的なデザインを実現しました。

幻想的なアプローチ

客室はヴィラタイプ
室内は洗面・トイレ・バスが外部空間となっている開放的な造り。
屋内外の境界が曖昧になっていることで、どこにいても自然を感じることができます。


バスルームは半屋外
ベッドとテーブルが連続するメインルームの大開口からは、ラグーンを眺めることが出来ます。



部屋からはラグーンが望める

夜のプールも幻想的
次に宿泊したのは、スリランカ南部の港町ゴールにある
『Jetwing Lighthouse(ジェットウィング・ライトハウス)』

Jetwing Lighthouse(ジェットウィング・ライトハウス)
このホテルは、インド洋を望む断崖の上に建てられており、
インド洋に浮かぶ船をイメージしてデザインされています。


建物から望む景色は本当に船のよう

アプローチのレリーフ
ロビーの階段には、ポルトガルとスリランカの戦いを描いたブロンズのレリーフが飾られ、
建築と歴史が融合した空間となっていました。


天井にはパンテオンの様な開口から自然光が
暗がりのロビーの階段を抜けると・・・

光の射す方へ



その先には光に満ちた空間が広がり、
テラスを通じて前面に広がるインド洋へ導かれます。

広大なインド洋に見惚れる一行

ウェルカムフラワーのおもてなしにニッコリ

夕焼けもとても綺麗でした

記念写真をパチリ(逆光)
客室の中心には、インフィニティプールが設けられ、
ホテル全体が海へと開かれた設計になっており、絶景を楽しむことができます。


目の前に広がる大海原を眺める時間は、
まさにバワの「建築と自然の調和」を体感するひとときでした。

客室も船をイメージした設計

荷物タグもかわいい
旅のクライマックスとして滞在したのが、
『Heritance Kandalama(ヘリタンス・カンダラマ)』
このホテルは、まさにバワ建築の最高傑作とも言える存在でした。

Heritance Kandalama(ヘリタンス・カンダラマ)
ホテルはジャングルの岩肌に沿うように建てられ、外観は緑に覆われているため、
遠くから見ると周囲のジャングルと一体化しているかのよう。

岩をそのまま残したエントランスホール



「建築が自然を侵食するのではなく、自然の中に溶け込む」
というバワの理念が見事に体現されていました。

カンダラマ湖の向こうにはスリランカのシンボルであるシギリヤ・ロックが望めます。

バワのデスクからはシギリヤ・ロックが
ホテルの廊下は全て屋外に解放されており、
鳥や猿など動物たちの声や、自然の葉のこすれる音がどこにいても聞こえてきます。



テラスには猿の注意書きが・・・

猿!

猿!!

廊下にも猿!!!
ヘリタンス・カンダラマには3つのプールがあり、
そのうち中央のプールはインフィニティプールとして設計されています。
まるで水面が地平線へと溶け込むような景観が広がり、
自然と一体化するバワの設計思想を象徴する空間となっていました。

ラシュミプール

カルディヤプール

メインのインフィニティプール

ディティールチェック!
客室からの眺めも格別です。
眼下には緑豊かなジャングルが広がり、
遠くには静かに佇むシギリヤ・ロックの姿も望めるなど、
まさにバワ建築ならではの贅沢な景色が堪能できました。

テラスからもカンダラマ湖が望める

バスルームからも!
部屋から望む朝焼けの光に照らされるジャングルと森の声がとても神秘的で、
まるで大自然の中に包み込まれているような、強く印象に残る特別な体験となりました。

テラスから望む朝焼け
今回の研修では、バワの建築に滞在することで、
彼の空間の魅力をより深く体感することができました。
バワの建築は、単なるデザインにとどまらず、「自然と共存することの心地よさ」を追求したもの。
私たちが家づくりをする上でも、この考え方は大いに参考になると感じました。
そんな彼の設計思想を、実際にその空間に滞在しながら体験できたことは、
設計に携わる者として大きな学びとなりました。

前編後編でお届けした海外研修のBLOGですが、バワの自邸や別荘、公共建築など・・・
ボリュームが多く今回書ききれませんでしたので、
次回~バワ建築編~に続きます!
KENT HOUSE 三本木