2025.3.9
海外研修2025・スリランカ ~文化・歴史編~

2月、私たちは海外研修でスリランカを訪れました。
インド洋の真珠とも言われる緑豊かな熱帯の島スリランカ。
この島はトロピカル建築の第一人者ジェフリー・バワの故郷です。
世界的ラグジュアリーホテルブランドの「アマンリゾーツ」は、バワ建築から大きな影響を受けたと言われています。
前編の今回は土地の文化や歴史に触れることで、バワ建築の背景にあるスリランカという国の魅力をお伝えしたいと思います。
後編ではジェフリー・バワが手掛けた建築についてご紹介します。
今回の旅では、スリランカの奥深い歴史と文化、そしてバワ建築の魅力に触れることができました。
まだスリランカをご存じでない方のために、その概要も交えながらご紹介いたします。

スリランカの国旗
・・・スリランカとは・・・
インドの東南に位置するスリランカは、青い海に囲まれた島国で、かつては「セイロン」という名前で知られていました。
長い歴史を持つこの島国は、ポルトガル、オランダ、イギリスといった外国の影響を受けた歴史を持ち、独特の文化と伝統が今なお息づいています。
自然豊かな風景、心温まる人々、そしてバワの建築美が見事に調和する国として、多くの旅行者を魅了しています。

港町ゴール(Galle)
・・・ゴール旧市街地(ゴールフォート)の歴史散策・・・
スリランカ南西部に位置する世界遺産の街、ゴール旧市街地(ゴールフォート)を訪れました。
まず足を運んだのは、城壁の上に設置された要塞。
かつてこの地を守るために築かれた要塞には、今もなお歴史を感じさせる大砲が並びその先には広大なインド洋が広がっています。
要塞の一角には、かつてオランダ統治時代に建てられた時計塔がそびえ立ち、この街のシンボルとなっています。

大砲

時計台

インド洋
また、時折目にする建物のデザインにはポルトガルやオランダの影響が見られ、またイギリスの植民地時代の建築様式も混ざり合っています。
ここでは、かつての植民地時代の面影がみられ、当時の異国情緒を感じることができました。



・・・スリランカカレー・・・
旅の楽しみのひとつといえば、その土地ならではの食文化。
スリランカを訪れるなら、やはりスリランカカレーは外せません。
スリランカのカレーは、日本のカレーとも、インドのカレーとも異なり、
一皿に複数のカレーが盛られ異なる味わいが楽しめます。
コロンボ市内で訪れた「ギャラリーカフェ」は、ジェフリー・バワが設計した建物を利用したレストラン。ここで味わったカレーは、スパイスの豊かな香りとともに、じんわりと広がる豚肉の旨みが絶妙な逸品でした。
洗練された空間の中で、奥深いスリランカの味を堪能できたのは、まさに至福のひとときでした。

ギャラリーカフェ(バワ設計)

ギャラリーカフェのアプローチには水盤が

美しくレイアウトされたデザート


絶品のペッパーポーク&ダール(豆)カリー
ギャラリーカフェ以外にもスリランカの様々な食事を楽しむことが出来ました。


スパイスもこの量!


カード(水牛ヨーグルトにヤシ蜜を掛けたもの)こちらも絶品

機内食もカレー・・・
スリランカと言えば、紅茶も名産。セイロンティも外せません。
ホテルではウェルカムドリンクでセイロンティを頂きました。

ウェルカムドリンク

セイロンティに加える様々なハーブ
・・・アーユルヴェーダ・・・
スリランカは、建築や食文化だけでなく、アーユルヴェーダの本場としても広く知られています。
古くから受け継がれてきたこの伝統医療は、心と体のバランスを整えることを目的としており、
現地ではその哲学が日常生活の中に深く根付いています。
スリランカ発のスキンケアブランド「スパセイロン(Spa Ceylon)」も、アーユルヴェーダの知識を活かした製品を展開していることで有名です。
アーユルヴェーダ専門医の監修のもと、王室伝承のレシピに基づいて高品質なハーブや植物オイルをブレンドしたスキンケアアイテムが揃い、店内にはカラフルで洗練されたパッケージの商品がずらりと並んでいました。
香り豊かなボディバームをお土産に選び、旅の余韻とともに持ち帰ることにしました。

SPA CEYLON(スパセイロン)

SPA CEYLON(スパセイロン)
・・・シギリヤ・ロック(Sigiriya Rock)・・・
スリランカの旅でぜひ訪れたかったのが、シギリヤ・ロックです。
高さ約200mの巨大な岩山の頂上には、5世紀にカッサパ1世によって築かれた宮殿の遺構が残っています。伝説によれば、この地を選んだ王は敵の侵攻を恐れ、難攻不落の要塞として宮殿を築いたのだとか。
まさに「天空の城」と呼ぶにふさわしい場所です。

シギリヤ・ロック(Sigiriya Rock)

宮殿の歴史について説明を受けます

登る前に記念写真。まだ余裕の表情・・・

過酷な登山なので大人チームは博物館へ
しかし、この城へ辿り着くのは決して容易ではありません。
日中の強烈な日差しを避け日が傾き始めてからの登山を選びましたが、
それでも気温は30℃を超え、湿度も高く、容赦ない暑さが体力を奪います。





狭く急勾配な階段を何百段も上り、風が吹き抜ける断崖の歩道が待ち構えています。
高度が増すにつれ、空気が薄くなり息が上がります。

途中休憩


呼吸を整えて



ラストスパート!

余裕組と

バテバテ組。あともう少し・・・
苦労してたどり着いた頂上は・・・



まさに絶景!
頂上に立つと、そこには一面緑豊かなジャングルが広がり、どこまでも続く地平線が見渡せます。この景色こそが、王にとっての「権威の象徴」だったのでしょう。
苦労して登ったからこそ味わえる、この壮大な眺め。




頂上でパチリ

遥か下に見えるのは、歩んできた道のり
今回はスリランカの文化や食、そして歴史的な名所に焦点を当ててご紹介しましたが、
次回の後編では、ジェフリー・バワの建築にスポットを当て、彼の手掛けたホテル建築について詳しくお伝えします。
KENT HOUSE 西田&三本木